にもある通りに簿記とは『帳簿に記録』することです。
しかし、みんなが帳簿をつけるのに独自のルールを使っていたのでは
誰が見てもわかる帳簿にはなりません。
ルールを設け、そのルールに従って記録していくために簿記が必要です。
そのために『仕訳』を覚えていく必要があります。
仕訳とは
仕訳とは『複式簿記』において取引を『借方』『貸方』の『勘定科目』に分ける事です。
複式簿記?借貸?勘定科目?…
いきなり聞き慣れない言葉が飛び込んできます。
複式簿記
複式簿記とは取引の『原因』と『結果』この両方を帳簿につける方法です。
例えば
4月1日に家賃50,000円を普通口座から引落で支払う。
4月2日に普通口座から現金30,000円を引き出して、携帯代10,000円を現金で支払う。
これを帳簿につけようと思うとどんな帳簿を作りますか?
おそらく
日付 | 内容 | 金額 |
---|---|---|
4/1 | 家賃 | 50,000 |
4/2 | 携帯代 | 10,000 |
合計 | 60,000 |
こんな感じで出金の記録をつけて管理していく人は多いのではないでしょうか?
しかし、このやりとり(取引)を複式簿記で表してみるとこうなります。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
4/1 | 支払家賃 | 50,000 | 普通預金 | 50,000 |
4/2 | 現金 | 30,000 | 普通預金 | 30,000 |
通信費 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
複式簿記ではこのように記録していきます。
何が増加(発生)して、何が減少(取消)したのか。
これを記録していくのが複式簿記です。
4/1
支払家賃(費用)が発生、普通預金(資産)が減少
4/2
現金(資産)が増加、普通預金(資産)が減少
通信費(費用)が発生、現金(資産)が減少
このように読み解いていくことができます。
最初はなんの事か分からないのですが、まずはこの書き方を勉強していく事になるので順番に説明していきます。
借方(かりかた)
借方とは帳簿の左側の事を指します。
上の表で言うと『支払家賃』の部分です。
覚え方は『かりかた』の『り』の文字が左にはらっているから左側と覚える。
くらいに覚えておいて大丈夫です。
借、貸といった言葉は非常に堅苦しく感じるかもしれませんが、元々の複式簿記は銀行の経理で使われたものなのでこういった言い回しを使っていたようです。
そう聞くと『借』や『貸』といった言い回しも納得するのは私だけでしょうか?笑
簿記の5つの要素のうち
『資産』『費用』
この2つの要素の増加(発生)は借方へ、減少(取消)は貸方へ記録していきます。
上の表もこの増加(発生)、減少(取消)の法則が成り立っているのが分かるかと思います。
貸方(かしかた)
貸方とは帳簿の右側の事を指します。
上の表で言うと『現金』の部分です。
覚え方は『かしかた』の『し』の文字が右にはらっているから右側と覚える。
気づいた人もいるかもしれませんが
複式簿記においては左側(借方)、右側(貸方)が必ず一致します。
ここは大きなポイントなのでおさえておきましょう。
簿記の5つの要素のうち
『負債』『資本(純資産)』『収益』
この3つの要素の増加(発生)は貸方へ、減少(取消)は借方へ記録していきます。
勘定科目(かんじょうかもく)
勘定科目とは上の表の『支払家賃』『通信費』『普通預金』『現金』といった仕訳に使われる用語で、記入している金額の内容を表しています。
複式簿記では何がいくら増えたか(発生したか)減ったか(取消したか)という処理を行っていきますが、その中の『何が』の部分を勘定科目といいます。
勘定科目を覚えるときはその勘定科目が『資産』なのか『負債』なのかといった、どの要素を表しているのかを理解する事も大切です。
勘定科目の要素についてはまた纏めたいと思います。
まとめ
簿記の勉強を進めていく中で、仕訳が出来ないと何も出来ないと言っても良いほど仕訳という作業が基本になります。
勘定項目を覚えて、仕訳をして『借方』『貸方』へ記録していく。
この一連の流れをずっと行う事で企業の経営状態を明確にして、財務諸表の作成に至るのです。
ルールに則り貸借を合わせて仕訳を行う。
まずはここをマスターするために日々勉強をしていきます。